第1章 狐月
side S
朝食であろうパンを咥えたままの、養護教諭相葉先生は…
俺を見るなり爆笑した。
「なぁんでそんな漫画みたいな血の出し方できるわけぇ…?」
笑いながら、チャカチャカと俺の額の消毒をしてくれてる。
「は、ひゃっ…早く、してくださいっ。HRがっ…」
「ドウドウ。みっともない格好で生徒の前に行ったら、馬鹿にされるよ?あ、もうされてるか?」
ぐっさり、額に矢が刺さった気分だ。
「なんで大野ですら遠慮したことをあなたははっきり言うか」
「ごっめーん。俺、口に蓋がないから」
べちっと最後にでっかい絆創膏を貼られた。
「で?大野、また帰ろうとしたの?」
「ええ…校門の手前100メートルで…」
「そんなにダルいのかねえ…甲状腺とかの異常あるかもねえ…」
「えっ!?」
「まあ、以前にどうしても学校来れない子でそういう事例もあったから。参考までに」
「病気…の可能性もあるんですか…」
「…まあ、大野は違いそうだけどね。この前グラウンドで体育やってるの見かけたけど、非常に健康優良男児って感じだったわ」
「です、よねぇ…」
「さ、行った行った。話はまた聞くから」
「はうっ…あり、ありがとうございましたっ!!」