第3章 ※貴方がほしいもの、私がほしいもの※
「欲しいものを今、戴いてもよろしいでしょうか?」
キリカが黒死牟の耳元で囁いた。甘い吐息と共に。その、常とは違う様相に欲を昂らせた黒死牟はキリカの身体に手を伸ばすが、その手はやんわりと止められた。
「キリカ・・・?」
「如何したのだ?」その言葉はキリカの唇に奪われてしまった。
「巌勝様、今日は趣向を変えてみようかと、さきほど仰っていましたよね。たまには私から、というのは如何でしょうか?」
返事を待たずに黒死牟の身体に跨がると、キリカは悪戯っぽく微笑んだ。
「よかろう・・・。好きにするがよい・・・」
「ありがとうございます」
攻めるのは初めてに等しい。だが、身体は不思議と自然に動いた。
(巌勝様にも気持ち良くなっていただきたい)
その一心だった。唇が、指先が黒死牟の身体に触れる。まるで、自分がされている時のように。
肌と肌を密着させ、黒死牟の首筋から胸板、そして、下腹部へと唇を滑らせていく。
「くっ・・・」
黒死牟が思わず声を漏らした。キリカの指が足と足の間に潜り込んだのだ。黒死牟のものに五指を絡ませると、ゆっくりと下から上へと擦り始めた。
「如何ですか・・・?痛くはありませんか・・・?巌勝様・・・」
黒死牟のものはキリカの掌の中で硬く張り詰めている。それを愛おしげに見つめると、キリカは優しく口付けた。時折、舌を這わせながら、ゆっくりと擦る。
「ああ・・・、キリカ・・・」
キリカの愛撫をじっと見守っていた黒死牟だったが、時折、洩れる声には愉悦の色が滲んでいた。
(嬉しい。悦んでくださっている・・・)
黒死牟の反応にキリカの愛撫も熱が籠もる。もっと、もっと気持ちよくなっていただきたい。時折、甘く、くぐもった声を洩らしながら丹念な奉仕を続けた。
(あぁ・・、凄い)
雄々しく屹立したものが、キリカの腔内でぴくりと動くのを感じた。そろそろ身体の奥深い部分で咥えたい。花弁がじわりと疼いた。