第4章 みっかめ②
「くっそ!逃がした!」
『えっ?あの、シカマルくん。どうしたの?』
シカマルくんはずんずん近づいてくると私の方を思いっきり鷲掴みした。
指が肉にくい込んで痛い。
「さんアイツになにかされましたか!?」
『いや何もされてないけど…される訳ないし。』
「じゃあ何か言われましたか?!」
『えっ?』
思わずさっきのは言ってもいいやつだろうかと考える。
やましい事をしてた訳でもないけれど、カカシの下についているシカマルくんに話せそうにもない。
『ううん。あっ、カカシとヨリさんが執務室でキスしてたって話は聞いたけど…』
「はぁ!?」
『えっ?違うの?』
「んなことある訳ないでしょ!朝もさんとの惚気話を俺もヨリさんも聞かされてたところですよ!」
それなら、アズミくんが嘘をついてたという事だろうか?だとしたら一体なぜ?そんなことをする必要はあるんだろうか。
それともシカマルくんが嘘をついてる?
6代目火影とその妻が就任後早々にこんな話になっては問題が起きるから。
その線もない訳じゃないけど、どうも腑に落ちない。
「だぁぁあ!くっそ!これでもまだ話すなってのか!!」
頭を掻きむしり始めるシカマルくんに呆然とする。いつもと違う姿に戸惑うばかりだ。
朝から立て続けに色んなことがありすぎて混乱する。
『あの、シカマルくんは何か知ってるの?』
「知ってますが言うなと言われてます。でも、状況が状況がなので言うしかないでしょ。」
『お願い。教えて欲しい。朝からね、色んなことがいっぱいあってよく分からないの…。今も混乱してる。』
「…分かりました。俺の知ってる事と照らし合わせるので、さんに何があってアイツとさっき何を話したのか教えて貰えますか?」