第30章 あなたの夜のお供に♡モモちゃんでーす
『私も、自分が面倒な奴だという自覚はあるんですよ』
だが、せっかくの高級肉が網の上で放置され、真っ黒焦げになったり。せっかく刺身でも食べれるレベルの肉なのに、ガチガチに火を通されたりするのを見るのは 我慢ならないのだ。
『せっかくなら、食材のポテンシャルを最大まで引き出して食べたいじゃないですか』
「うんうん。オレにも分かるよーその気持ち!」
「わ、分かるような 分からないような…」
『それに私…塩味の肉しか焼いていないエリアに、平気でタレ肉を置いて焼き出す輩を見ると…
殺意が…湧くんですよ』
「俺達はあんたと七輪囲ってて大丈夫なのか!?なぁ大丈夫なんだよな!!」しみじみ言うなよ怖ぇから!
「カトちゃん大丈夫!こう見えて自制心は強い子だから、もし間違って網を汚しちゃっても 急に殴りかかってきたりしないよ!!」
「当たり前だ!ただ焼肉食ってるだけなのに殴られてたまるか!」
「な、なんて緊張感のある焼肉なんだろう…」
表を7、裏を3。これが牛タンを焼く上での黄金比だ。最初の1枚目は、レモンを絞らず塩胡椒のみで頂くことにする。
厚目に切られたタンは、きめ細やかなサシが入っており、脂もしっかりと乗っている。
歯を入れれば、ぷりっとした食感だ。全く硬くない。
『あぁ、一生噛んでいたい…。牛タン味の、ガムがあればいいのに…』
「あんた、たしかに肉焼くのは上手いけど。食レポはゼロ点なのな」