第49章 天にぃとラブラブだぁ
「そうだよナギ!たしかに、九条さんの方が王子様っぽいけど、2番だって凄いじゃないか!オレはナギの事も、王子様みたいでカッコイイなって思うよ!2番目だけど!」
『っ、』
(し、辛辣だ!!)
陸の言葉がナイフとなって、ナギの胸を貫くのが見えた。その様子に、三月と大和が 目に見えてワタワタする。
「ちょ、陸?もう、そのへんで…。な?」
「頼む。やめてやってくれ。もうナギのHPはゼロだ…」
コメント欄は、大いに盛り上がっていた。
相変わらず天へ向けた愛あるコメント。そして、ナギを励ますコメントで溢れている。
そう。実はプリンス賞の決勝で、彼ら2人は合間見えていた。結果は、もう説明の必要もないだろうが…
「いやー、僅差!実に僅差だったよなぁ!プリンス賞の決勝!
実はオレ達、会場で見てたんだけどー、皆んな本物の王子様みたいでさ!その中で優秀賞獲ったんだからマジで凄いって、お前!」
「最優秀賞 発表の時の、六弥さんの顔が忘れられません」
「ははっ、そうそう。自分の名前が呼ばれると思って疑いもしてなかったのに、九条の名前が呼ばれた瞬間のびっくりした顔な!
客席で爆笑しちまったんだよ、俺」
「一織!大和さん!オレが何とかスムーズに進行しようとしてんのに邪魔すんなよ!頼むから!」
三月は立ち上がって、頭を抱えた。
面白いなぁ、IDOLiSH7…。この流れるようなボケとツッコミは、TRIGGERには無いものだ。
ただ、ナギは死んだような顔になっていた。そして、私の隣では紡も頭を抱えていた。
「うわわ…オレのせいでナギのHPが…
あっと、天に…九条さん!一緒に決勝で戦ったライバルとして、ナギに何か言ってあげて下さい!」
「勝者が敗者にかけてあげられる言葉なんて、何も無いよ」
天が伝説の聖剣で、ナギにとどめを刺した。これはもう、教会に行ったとしても生き返れないかもしれない。