第5章 夏
クロ「…なになになんの話〜?」
海「カクカクシカジカの話」
クロ「山本がしてたらやだけどな、研磨がしてるからいいんじゃね?」
海「うんうん」
虎「意味がわかんないっス」
クロ「そういう研磨に惹かれたんじゃねえの?ってことだよ。
別にゲームしてるから好きってわけじゃなくて、
ゲームしてるとこもひっくるめてみたいな感じなんじゃね?
…ってなんで俺がこんなこと話してんだ」
海「笑 研磨はゲームしてるからってみんなに無関心なわけじゃないからな。
ちゃんと向けられた話は聞いてるし、周りのこと把握してるし。
穂波ちゃんは好きにしててって言ってるんだもんな」
研磨「………ん。ゲームしてるおれの指をみてるとふわふわしてドキドキして気持ちいいんだって」
クロ「!」
虎「ど、どどどどどどういう意味だよ/////」
クロ「山本、何想像してんだぁ?顔が真っ赤だぞ」
虎「い、いや何も!赤くなってないっスよ」
研磨「…なってるけど。………なんか慣れた手つきで何かをしてる指先をみるのが好きって言ってた」
クロ「なるほどねぇ」
海「なるほど。ま、山本は山本のままでいいと思うぞ。言ってることは間違ってるわけじゃない。
山本が一緒にいる相手のことを思ってるのがよくわかる。」
クロ「…だな。研磨と穂波ちゃんの特例だな」
虎「あ、あざっす…なんかすまん研磨。別にそんな物申そうと思ったわけじゃねんだけど」
研磨「…ん。わかってる。虎、大丈夫」
穂波はほんと、何も気にしてないように思う。
画面から目を離して穂波の方を見ると、
芝生にしゃがんで、拾ってきた葉っぱをグラデーションになるように並べている。
今日は黄色い小さな花の柄の、丈の長いVネックのワンピースを着てる。
ひらひらとした裾から、スニーカーを脱いだ素足がみえる。
「ねぇ、穂波。…こっち向いて」
穂波に軽くキスをする。
「…好き」
『…ふふ。わたしも、大好き』
そう言って穂波はTシャツの胸元を掴んでキスをしてきた。
「あー!チューしてるーー!」
ハッと唇を離して、声のした方を向くと
ボールを持った男の子と大きな葉っぱを持った女の子がいた。