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星降る丘【NARUTO】

第19章 帰郷



「サク?サクちゃーん……」

ベッドの上で丸まって、頭までふとんを被ったサクからは返事がない。
あの後、朝方家に着いたオレたちは、シャワーを浴びて泥のように眠った。
そして、昨日からサクは大層ご立腹で、しゃべってくれないどころか、目さえ合わしてくれない。

まぁ、オレが悪いんだけど……。

昨日、一度では満足できなかったオレは、そのまま2度、3度とサクを抱いてしまった。
1回だけ、と約束したのに。
久しぶりに会ったサクが、可愛くて我慢できなかったのだ……。

オレはガシガシと頭をかくと、ベッドの横に座り込む。

「サク、ゴメン……」

やってしまったことは戻らない。
オレに今できることは、謝ることだけだ。

しばらく微動だにしなかったサクが、布団から拗ねた顔だけ覗かせる。

「……一回だけって、言った」

「うん……」

「やだって言った……」

「うん、ゴメン……」

サクの顔が泣きそうに歪む。

「あ、あたしはカカシの性欲満たすためにカカシの奥さんになったんじゃないっ……」

サクの言葉にハッとする。
サクが本当に傷ついたのは、外で何回も抱いたからじゃない。
オレの言葉が足りなかったからなんだ……。

オレはベッドの上に上がると、サクの被っていた布団を剥ぎ取り、サクの手を引っ張って抱き寄せた。

「やだっ!離して!!」

逃れようと暴れるサクを、離さないように力をこめて腕の中に閉じ込める。

「サクのこと、性欲だけで抱いたこと、一度も無い!」

思っていたより大きな声が出て、自分でもビックリしてしまう。
サクも驚いたのか、抵抗を止め、ポカンとオレを見る。
感情的になってしまいなんだか恥ずかしいが、今からもっとこっ恥ずかしいことを言うんだから、今さらだ。
心を決めて、腕をそっと解きサクを見つめる。

「昨日止まれなかったのは、サクが可愛くて愛しくてしょうがないからで……」

あー、恥ずかしい。
何言ってんだ、オレ……。

顔に熱が集まっているのがわかる。
でも、ちゃんと伝えたい……。

意を決してオレは息を吸い込む。
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