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名もない物語

第2章 【鬼vs.宿敵 地獄大一番】



「桃農家への人材貸出し?桃の木はこれ以上いりません。万能薬は少ないから良いのです。多いと堕落する」

「ですが桃源郷は天国最大の観光スポットですし……とにかく柴刈だけでも手伝ってほしいと……」

「鬼灯様アアアアアアアアアアアア」

「?どうしました」

「スミマセンッちょっとトラブルが……桃太郎とかいうのが来て…!」

「桃が来た?いりません」

「あ…イヤ…あの、別にお中元とかじゃないんですけど……とにかく来て下さいっ!今、様が対応しているんですけど…っ」

「!彼女が?」






「……あ、鬼灯さん。忙しいときに…ごめんなさい」

「おっ!そいつ上官だなッ!?俺と勝負しろッ!!」

「えーと……あの困ったさんはどこのコですか?」

「あれが例の桃太郎って人……」

「ヒッ…ヒソヒソするな!!」

「なんか、急にやって来て…道場破りみたいなことし始めたみたい」

「何でしょう…思ったより……いえ大変古風で美目麗しい…」

「なっ…何が言いたいッ!?」

「生前悪い鬼の退治でご活躍なさったのを誇るのはいいですが、大義を見失っちゃあいませんか」

「いーや、見失ってないね。俺は鬼と戦ってこそ桃太郎なんだ。なっ相棒!」

「俺は契約料(キビダンゴ)のためです」

「でも現代はキビダンゴより美味いものが多すぎる」

「雇用形態が室町時代と変わらんから、正直転職を考えている」

「あっお前も?」

「俺達、霊力ある神獣なのにさァ」

「アイツ一人、いつもあついしなー」

「英雄の部下なのに何が不満なんだよォォォォ!!?」

「要するに社内で体育会系が一人変にたぎってるとうっとうしいという事ですよ」

「俺の状況を冷静に分析すんな鬼ッッ!!」
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