第5章 フーシャ村へ買い物
男に言われた言葉にエースは、はっとして
エ「ごめんなさい…」
と、言った。
『よく言えたね』
恋歌はちゃんとエースが謝れたことに誉めてあげる。
しかし、男は何が気にくわないのか、
「ああ?
聞こえねぇな」
と、言ってきた。
恋歌は自分も謝ろうと思い男に向かって頭を下げた。
『すいませんでした
なんせこの人混みでこの子も思うように歩けなくて…』
言いきって顔をあげて男の目を見ると一瞬驚いたような顔をされたが、すぐににやりと口の端を上げて厭らしい笑みを浮かべた。
『(あ、何か面倒なことになりそう…)』
一応恋歌は神様に変えてもらった容姿が美人の部類に入ることは自分でも自覚している。
「あんたはこのガキの何なんだ?」
『母親です』
即答した恋歌に今度はエースが驚いている。
何故エースが驚いているんだろうと思いつつも、男から目を逸らすことはない。