第1章 「夢の中のアイツ」
準備は終わりあとはAM0時になるのを待つだけになったころ、こっちへ歩いてくるカイマンとニカイドウが見えた。
「やーカイマンにニカイドウ。さっきぶり~ 気になる景品はあった?」
「俺は欲しいもんはなかったぜ。」
「私は精肉機が欲しいんだ。あれがあれば、楽にギョーザの肉をミンチにできるよ。」
「いままで2本の包丁でミンチにしてたもんね。180枚だっけか。がんばってね。」
準備がひと段落して休憩がてらチラッと景品を見に行ったときに、ニカイドウにぴったりだなって思ったのを思い出した。
景品が余ったら中から欲しいものを選ばせてくれるとホール自治会に言われたが、私の欲しいものはもうないな。
「あ、そうだ。バウクス先生に差し入れをもらったんだ。二人も食べる?おはぎ。」
「うおっ。それ毒ダンゴじゃないだろうな。」
「あははは!やっぱ思うよね~!大丈夫。さっき食べたけどちゃんと裏道沿いにある和菓子屋のおはぎだったよ。」
「よかった。先生、間違えてなくて。じゃあいただくよ!あそこのおはぎ、おいしいんだよな~」
「んー!うめえ!」
ウィィイイイイイイイン.......
「12時だぞォッ。」
時間を知らせる警報と男の声が町中に響いた。
「お、時間だな。」
「じゃあ私たちは行くよ。」
「うん。ふたりなら大丈夫だと思うけど気を付けてね。」