第6章 曖昧なグレーゾーン
教室に入ってすぐ、有香が走ってきた。
「ちょっと雪菜!!!めちゃくちゃ心配したんだけど!!!昨日あれから大丈夫だったの!?」
あ・・・
・・・・・・すっかり忘れてた。
黒崎君効果と、睡眠効果のおかげで、今の今まで昨日のその出来事をすっかり忘れてしまっていた。
とりあえず、昨日と同じ服は嫌だなと思って途中で家で着替えてきて正解だった。
「あ・・・ごめん。なんでもなかったよ。」
「もう、じゃあ連絡くらいいれなきゃ。みんなで本当に心配してたんだよ。」と広子。
「本当にごめん、朝気が付いたら携帯も切れちゃってて・・・。」
はぁ、と大きなため息の有香。
「雪菜の携帯って大事な時にいっつも電源きれてるんだから。まぁ、でもなんでもなかったなら良かった。」
携帯自体あまり触らない雪菜がそれをこまめに充電することはない。
普段から携帯の電池が切れていても何も感じていなかったが、今回ばかりは申し訳なく思った。
それほどに、有香と広子は本当に心配してくれていた。
昨晩のことも2人に熱心に聞かれ、志水さんとの会話の内容をどこまで話すか迷ったけれど、結局、奥さんが居る事と、その奥さんが浮気をしていて悩んでいたようだ。と雪菜は話して聞かせる。
2人は志水さんが結婚していたことにかなり驚いていた。
幹事の有香もそういったことは事前に確認をとっていたらしく、騙された!と激怒。
次回からはもっと信頼できる人を選んで合コンをやる!と・・・気合いが入ってしまった。
・・・・まだ・・やるんだ。
合コン・・・。