鈴の音が届く距離で2〜王政改革の章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第2章 :再来〜再会と豹変❶
「イテテ!」
「すまなかった…。しかし君の偽りのない本心を、総統や有力者に伝えることができた。」
「はい…」
「効果的なタイミングで用意したカードを切れたのも、その痛みの甲斐あってのものだ。君に敬意を…エレン、これからもよろしくな。」
エルヴィンは笑顔で、エレンに握手を求める。
「はい、よろしくお願いします。」
エレンは素直にその手を握った。
「なぁ、エレン…」
「は…はい!」
リヴァイはエレンが座るソファの隣にドカリと座り、横目でエレンを見つめた。
エレンはビクリと身体を震わせ、リヴァイを見返す。
「俺を憎んでいるか?」
「い…いえ必要な演出として、理解してます。」
「ならよかった。」
「しかし限度があるでしょ、歯が折れちゃったんだよ…ほら。」
ハンジは拾ったエレンの歯をハンカチで包み、エレンとリヴァイに見せる。
「拾うな…気持ち悪い。」
「これだって大事なサンプルだし…」
「エレン…こういう奴らに解剖されたりするより、マシだろ?」
「一緒にしないで欲しいな。私はエレンを殺したりしない。」
リヴァイはフンと鼻を鳴らすと、ソファから立ち上がった。
「ねぇエレン、口の中見せてみてよ。」
ハンジがエレンに口の中を見たいと促すと、エレンは素直に口を開けた。
「……!…え?もう歯が…生えてる。」
ハンジの言葉に、エルヴィン・リヴァイ・ミケもエレンを凝視したのだった。