第97章 17歳エースとの出逢い
目の前には大柄な男たち。
向けられているのは殺気と銃。
甲板に正座した水琴は、黙ってそれを見上げていた。
「おいおい嬢ちゃん。いつの間にこの船に潜り込んだ?」
「フォスター海賊団と知って一人乗りこんで来たってんなら、良い度胸じゃねぇか」
どうしてこうなった。
たらりと汗が流れおちる。
状況を整理しよう。
私はつい先程まで、端町にいた。
普段は必要以上に近寄らないが、年に一度の祭りということや売りに出した獣の皮が少々良い値段で売れ懐が温まったこともあり、エースとルフィを連れ露店へと繰り出したのだ。
祭りを楽しむ二人を追いながら、ふと目に留めた露店で珍しい鉱石だという置物を見つけて。
何かを聞いたような気がするが、そのあたりの記憶は曖昧だ。
とにかく、その後何故か水琴はここにいた。
何が何だか分からない。
そういえば二人は大丈夫だろうか。
二人からすれば突然私が消えたのだ。心配して探しているかもしれない。
何かトラブルに巻き込まれる前に帰っていてくれればいいけど、よく考えれば彼らはトラブルに巻き込まれるよりトラブルを起こす方が多かった気g
「おい、何だんまり決め込んでんだ」
水琴の状況確認という名の現実逃避は海賊たちのイラついた声で中断される。
「……あの、無断で乗り込んだのは謝ります。ちょっとした手違いで、すぐに降りますのでここは穏便に__」
とにかく場を脱したかった水琴の声を撃鉄の上がる音が遮る。
ですよねー。