第56章 危険がいっぱい
翌朝。再び水琴達は砂漠を歩き始める。
昨日よりかは慣れてきたのか、皆の足取りは軽い。
その中で昨日よりもさらに重い足取りの者が一名。
「暑い…重い……なんでじゃんけんに勝ったのにこんな辛いんだァ…?」
ずるずるとみんなの荷物を引きずりながらルフィが力無く呟く。
「自業自得だろ」
「勝った奴が荷物運ぶって言いながら後だしして勝つ奴があるか」
仲間達の言い分に水琴はそっと目を逸らす。
ごめん、フォローできないよルフィ。
「お!岩場が見えたぞォ!」
ゴーグルで遠くの様子を窺っていたウソップが歓声を上げる。
「何?!よっしゃあ~!飯飯ィ~!」
急に元気付いたルフィが一気に皆を追い抜き岩場へと走っていく。
「…行っちゃった」
「現金な奴」
あっという間に見えなくなったルフィを呆然と見送る。
しかし再びルフィの姿が見えてきたことで一同は首を傾げた。
「大変だぁ!あっちに怪我した鳥がたくさんいるんだ!チョッパ~!」
「うん、分かった!」
ルフィの慌てる声に寝そべっていたチョッパーがすぐさま飛び起き駆けていく。
「怪我って、襲われたのか?」
「さぁ…」
エースと顔を見合わせる横でビビがはっと顔を上げた。
「鳥…?待ってルフィさん!その鳥は…!」
慌てて後を追いかけるビビ。
どうやら何かまずい事態が起こったようだ。