第51章 空に舞うは桃色の雪
「水琴さん!よかった、みんな無事だったのね!」
「ビビたちこそ。無事でよかった」
全てが終わり。
ロープウェーで上がってきたビビ達とも無事に合流できた。
後はナミ達を連れて海へ出るだけ。
しかし、何故か船長が見当たらない。
「トナカイーー!!仲間になれよ!海賊は楽しいぞーー!!」
「まだやってる…」
城のどこかから聞こえるルフィの楽しげな声にクルー全員が呆れる。
いつの間にか夜になっていた。
「なぁ水琴。ナミとサンジの様子はもう良いのか?」
「うん、大分。ただナミに関してはまだ病原菌が身体に残ってるから、出来れば船医を仲間にして連れて行きたいんだよね」
「なるほど。それでルフィはあんなにしつこく勧誘してるのか」
「ううん。あれはただ気に入ったから誘ってるだけ」
たぶんチョッパーが医者だということにも気づいていないだろう。
つくづく本能のままに行動する男である。
「あら、ルフィは?」
ずるずるとサンジを引きずり城からナミとビビが出てきた。
ルフィにボロボロにされた上着の代わりに上品な黒のコートを着ている。
「チョッパーおっかけてる」
「お!ナミ、もういいのか?」
答えるのと同時にルフィがどこからか降ってきた。
「えぇ。もういつでも出航できるわよ」
「あとはトナカイだけだな!」
「もう諦めろルフィ。これだけ誘っても出てこないんだ。あいつは海賊になりたくねぇんだろ」
ゾロの言葉に違うよ、と内心否定する。
もし海賊が嫌ならば、あんな旗を掲げるものか。