第45章 Mr.0
「電伝虫じゃねェかこれ」
「電伝虫?」
そう言えば、たまにマルコとかが使っていたのを思い出す。
しかしこれって生きているんだろうか。生き物と機械の間のような、妙な感じだ。
「どうしよう、これ…」
相手が誰か分からないのに迂闊に出られない。
水琴が思案している横でサンジががちゃりと受話器を取った。
「はい、こちらクソレストラン。ご予約で?」
「出んの?!しかもレストラン違うし!」
出てしまったのは仕方ない。サンジに任せるとして、水琴は横で電伝虫の向こうの人物をじっと探る。
「……ふざけてんじゃねェぞ」
聞こえてきたのは低い男の声。
「どちらさまで?」
「俺だ、……Mr.0だ」
Mr.0
ビビを追っている、バロックワークスの最高指揮者。
サー・クロコダイル。
その男が、この電伝虫の向こう側に居る。
「連絡が遅いんじゃねぇのかMr.3。俺が指令を出してから数日経つ…」
どうやらここはMr.3の隠れ家のようだ。
Mr.3って確か蝋人間だよね。じゃあこの住居は彼の能力で作ったのか。
キャラの顔は思い出せることに少し安堵する。
「まぁいい。で、麦わらどもはどうした」
「えぇ。問題なく始末しましたよMr.0。だから、もうこれ以上刺客を放つ必要はありません。オッケー?」
「そうか、御苦労。お前はすぐアラバスタへ向かえ。計画は最終段階に入った」
「最終段階…?」
クロコダイルに聞こえないよう呟く。
つまり、アラバスタで大きく事が動くのだろうか。