第43章 麦わらとの出逢い
突然の告白にクルー全員が息を呑む。
異世界なんて、昔話でも聞いたことがない。
普通ならば笑い飛ばすところだが、ビビの思い詰めた表情と水琴の迷いのない表情から真実なのだとなんとなく悟った。
しかしどう返せばいいのか、分からずしばし沈黙が場を支配する。
「……すっげー!」
気まずい沈黙を突然ルフィの歓声が破った。その拳はわなわなと震え、目はきらきらと輝いている。
珍しく黙っていると思ったら、どうやら興奮して震えていたらしい。
「ってことはお前、宇宙人なんだな!」
「…うん?まぁ、そうなるのかな…?」
この世界に宇宙って概念あったんだ…と遠い目をした水琴を気にせず、ルフィはすげぇな!と笑みを浮かべる。
「おもしれぇなお前!仲間になれよ!」
「………はい?」
突然のルフィの申し出にきょとんと目を丸くする。
「ちょっとルフィ、あんた何言ってんのよ!」
「なんでだよ。宇宙人なんてかっこいいじゃねぇか!良い奴そうだし!」
「馬鹿!そういう問題じゃないんだよ!」
「なんでだよー、だって帰り方分からねぇんだろ?じゃあ仲間になりゃいいじゃんか」
途端ナミとウソップが声を上げる。
なぜ詰め寄られているのか分からないとルフィは首を傾げる。
「……私を、仲間にしてくれるの?」
信じられない、と呟く水琴におぉ、いいぞ!とルフィはにししと笑い掛ける。
「………」
その笑顔が、誰かと重なる。