第21章 拘束※
「この前は…時間がなくて、ゆっくり出来ませんでしたから」
そう言いながら彼は私の口内で舌を暴れさせる。
この前…会社に送ってもらった時のことか
なるべく別の事を考えて気を紛らわそうとする。
彼は私の舌に自分のを絡めてくるけど私は何もしなかった。
ただただ彼を受け入れるだけ。
それを分かってか、彼は私の歯列をなぞる。
思わず声が漏れそうになったけどそれを必死に我慢した。
まだ始まったばかり
ここで思うようにされては今後どうなるか分からない
私はぎゅっと拳を握った。
彼の表情を見ないように、目を瞑りながら。
彼は本当にゆっくりとキスをし続けた。
何分してたのか分からない。
感覚が麻痺するほど彼のキスは続いた。
唇を離して彼は言う。
「本気で抵抗してるんですね。今日は」
そう言う彼は全然悔しがってはいない。
むしろ楽しそうに、興奮気味の表情で。
彼の舌が首に触れて、つっーと下に下る。
ある所でそれは止まって勢いよく吸い付かれる。
「…っ…」
「消毒、しないといけませんから」
彼は昴さんのキスマークを上から上書きした。
そこは他のよりも一段と紅くなっている。
その行為は胸にたどり着くまで何度も繰り返された。
胸の上を彼の舌先が触れ、ゾクッと体が震える。
彼の指が乳房を全体的に揉んでその感触が肌に伝わる。
私は唇を噛み締めてじっと耐える。
彼の瞳が私を見つめて
彼の口から舌が現れて、その先には乳房の先端があって
見せつけるように、彼は乳首の先端を舌先でなぞった。
「…っ…」
先端に感じる濡れた感触。
柔らかいそれが根元から突起を舐め回す。
手で口を塞ごうにも今はそれができない。
体は震えてしまうけれど、声を上げる訳にはいかない。
私の口から漏れるのは呼吸とも言える小さな音。
ピチャと音を鳴らして乳首を舐め上げる彼の姿は官能的で、それを考えないように再び目を瞑った。
けれど彼のそこへの愛撫は普段より短かった。
思ったよりも直ぐに解放されたことに私の先端はビクビクと疼いていた。
彼はベッドの下の方へ移動する。
脚を広げられたまま固定されているそこは恐らく彼からは丸見えの状態で。
自分のそこがどうなっているのか怖かったけれど彼は何も言わなかった。