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恋と麻薬【名探偵コナン】

第21章 拘束※


「…んっ…」

どれほど眠っていたのだろうか。
カホは重たい瞼を持ち上げ光を目の中に差し込んでいく。

いつの間にか、寝ちゃったのかな

ぼーっとしたまま視界に映る天井を見上げてそう思った。
けれどカホはすぐに違和感に気づく。


ここ、私の部屋じゃない

段々と意識がはっきりとしてきたカホは上体を起こそうと頭を持ち上げる。


ガッシャン…!!

しかしそれは叶わなかった。
自分の手首に感じる固くて冷たい感触。
それは自分の手首を一周しており左右の腕に嵌められている。

カホは頭を反らして自分の手首を見た。

そこにかけられていたのは真っ黒な手錠。

え、なに…なにこれ、


必死にそれを外そうと手首を動かすもそれはガシャンと音を立てて揺れるだけ。

さらにカホは自分の足首にも似たような感触を感じた。

それに気づいたとき、カホの頭は真っ白になった。
自分は今毛布をかけられている為確認することは出来ないが


やけに直に感じる毛布の感触
普段締めつけのある下着の感触が上下どちらにもないこと
足を伸ばしたまま左右に広げられ、その足首に何か固定されている感覚
足はそのまま閉じることができない


カホは今自分が毛布の下でどういった姿になっているのか想像がついた。

いや…


カホはどうしてこんな状況になったのか全く理解できていなかった。
確か仕事から帰ってる時に昴さんにあって、途中でキスされて、そしたら何故か急に眠くなって

あの時、私、昴さんに何か飲ませられたんだっけ?


カホはベッドの周りを見渡した。

そこでカホは気づく。


嘘、この部屋…


信じられない、そんなのありえない


カホはその光景を素直に受け入れることは出来なかった。



なぜならその部屋は自分には痛いほど見覚えがあったから。


最後に出ていった時のまま何も変わっていないその部屋
家具も、その位置も…何もかもがあの日のまま


ということは、私をここに連れてきたのは…


カホの頭には一人の男の姿が浮かぶ。


その時ガチャと扉が開く音がしてカホの額からは冷や汗が流れる。




彼女の瞳に映ったのは微笑みながらこちらを見つめる安室の姿だった。




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