第32章 検索
自宅近くのコンビニに立ち寄り、
お弁当の陳列コーナーを眺める。
目ぼしいお弁当がなく、
カット野菜とカップスープで
お会計を済ませる。
「そろそろ自炊生活にシフトしないとな…」
頭でわかっていても
やる気が出ない。
一人暮らしっていうのもあるし
無性に寂しさと虚しさを感じたりして、
活力の源を見失っている。
暗い部屋に明かりを灯し、
カーテンを閉めようと手をかける。
「月が丸いな……。満月か?」
神々しく輝くお月様。
雲の姿もなく地上を平等に照らし、
静かに見守ってくれている。
こんな風に見上げたのはいつ振りだろう。
空を狭くするビルばかり見てた気がする。
心が洗われていく気がしていると
車の滑走音が耳に入り、
カーテンをしめた。