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【R18】Querer【創作BL】

第20章 ~角湊の場合~





それは、
新人説明会でのこと。

噂には副部長の息子がいる…なんて
ことは耳にしていたが、
まさかコイツだとは思わなかった。



同い年で
打ち解けやすい雰囲気で
にこにこと話し掛けてきたから
普通に喋ってしまったのが間違いだった。

もっとエリートぶった
鼻が高いヤツかと思ってたのに。










「んっ。これ美味いな。
角のはどう?」


「…普通…」


「普通ってことは美味いってこと?」


「…、…」





結局押し切られるように
また昼食に付き合わされてしまった。

副部長の息子という
偉い地位があり、
容姿や体格にだって恵まれてる。

正直言って、
女や人付き合いには困らない男だろう。





「…あの、長瀬くん」


「ん?聞いてやるけど敬語ナシな」


「……じゃあ言うけど、
同じ新人だからって
無理に仲良くしてくれなくていいよ。

俺、ひとり慣れてるから」


「ふーん。
角はそう思ってんだ。俺のこと」






そんな風に言われてしまい
後味が悪くなる。

長瀬にはもっと
釣り合うような人間がいるのに
わざわざ暗そうな俺と
仲良くする素振りを周りに見せつける迷惑行為。



今日だって本当は知ってる。



他の奴に誘われてた。

けれど、
なんでか俺の方にやってきて
訳も分からない愛想を振りまいてくるのだ。


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