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【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】

第2章 錯綜と交錯


安室とは同じシフトの時は帰りに送る事が多くなっていた。
その日もいつもと変わらないはずだった。

「さん、送ります」

安室の顔に疲れが見えたは耳打ちをする。

『疲れてるでしょ?私は電車で帰るから大丈夫』

すると無言での手を引いて歩き出す安室。
明らかにいつもと雰囲気が違っていることには気付いた。

駐車場に着くと助手席のドアをあけを座らせ、自分も運転席へ乗り込む。

『…零?』
「はい?」

自分に向けられた顔は貼り付けた営業スマイルの安室のものだった。

『ねぇ、どうしたの?』
「どうもしません、送ります」
『零…私を見て?』

少し間をおいて向けられた顔は、いつか見た苦しそうな寂しそうな降谷の顔だった。

『なんて顔してるの…』 

彼が取り繕えなくなっているのは自分のせいだと知っていた。
も似たようなものだった。

安室 透の作られたものではなく、降谷 零が自分に向ける笑顔を見たかった。

安室の気持ちを知りながら受け入れなかったのは。
共に過ごす時間の心地良さに甘え、過ごした分だけ彼を追い込んでいた。

消えた自分が安室を傷つけ、今の自分が彼の心の均衡を崩したと分かっていた。


彼の頬に手をあてると包むように手を重ねられた。

「…すまない」

は彼を誰にも渡したくない自分がいたことにも気付いていた。
それは"私"に対してもだった。

『ねぇ、零。私でもいい?あなたの好きだった"私"じゃなくてもいい?』

「がいいんだ」

『待たせてごめんね…、零を好きにならない方が難しかったみたい』

シートに片足をかけ彼に近寄ると唇を重ねた。

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