第24章 伝えたかった事
「さくらさんは凄いですね…頭がよく回ります」
「いやいや、ただ…元の世界で推理もののゲームやドラマを見ていただけだよ。その中にこんな感じで、第三者に罪を被せる演出が多かったんだ」
「冤罪、ってことですか?」
「そういうことだね。…私に関係のある人が次々に殺されて、あたかも私が悪いように仕向けてる。総じてレイリィを殺したのもアルガムさんを殺したのも一緒の犯人だと思う」
「そんなところまでわかってるんですね…」
アーミヤはコクリ、と唾を飲み込んで、私の顔を見る。その頬は少し赤い。
「昨日、スチュワードさんとアドナキエルさんが報告に来てくれました。3人は…やはりお似合いです」
「!…あはは、ありがとう」
急な誉め言葉に笑う。アーミヤは同じように笑ったが、すぐにドクターの背後にある窓の外を見て、険しい顔をした。
「誰かは存じませんが…ロドスをこんな形で内部崩壊させるなんて許せません…」
「…うん」
「絶対捕まえましょう」
頷いた。すると、ドクターがガタリと立ち上がり始めた。
「さくら、すぐ地下牢に向かってくれ!手がかりが出た!」
「!はい!」
すぐに部屋から出て走り出した。