• テキストサイズ

【アクナイ】滑稽な慈悲

第15章 疲労困憊



3時間の追いかけっこが終わり、赤タグ所属のアドナキエルは軽く頬を膨らませた。
不機嫌なのはさくらに会えたのがあの一度切りで、それ以降どれだけ探しても見つからないことが原因だった。

その彼がさらに不機嫌になったのは、デッキに集まる最中に見た、親しく話すスチュワードとさくらだった。


『早く出てれば閉じ込められることなんてなかったのになぁ…』

『腰が痛い…!』

『2時間も閉じ込められればそりゃあね…』


閉じ込められた?どこにだろう、と思考する彼は、2人に混ざることもできないままムス、とした表情を見せる。
ペナルティとしてデッキ周回している時、たまたま隣を走っていたノイルホーンの話を聞けば、どうやら2人一緒にロッカーに閉じ込められていたらしい。それも2時間。

余計彼の気分は降下していく。もうすぐで走り終わるという所でも、ひょっこりと出て来たスチュワードと会話している姿を見て胸の内に霧がかかった感覚を覚える。
スチュワードがさくらから視線を外して顔を片手で押さえて照れているのは何故だろう、と考えていたらキリがない。

モヤモヤとしたまま完走。その後、さくらに抱き付きに行ったアドナキエルだったが、すぐ後にノイルホーンが来てさくらと会話し始める。その後に来たエクシアとクリフハート、ムースにも彼女を取られて平静じゃない。
挙句の果てには、ノイルホーンやエクシアに抱き付かれても引き剥がそうとしない。

モヤモヤを抑えていた壁が決壊しそうになった時、アドナキエルの前にさくらがしゃがみ込む

/ 216ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp