第8章 目を覚ますとそこは…
「漫画…少女マンガだ」
だいたい30枚くらいあるだろうか。
ところどころに赤いペンで何かが書かれていたり、なぜ私にこんなものが届いたのだろう。
と、そのとき、私の携帯に着信が入った。
「あ…!」
着信者にはなんと、本田さんの名前が出ていた。
「も、もしもし!!」
「村崎さん、電話では初めましてですね。
いつも突然でたいへん申し訳ありません」
紛れもなく本田さんの声だ。
その声を聞いて、私は一気に涙が溢れてきた。
「…村崎さん?」
「ぜんぶ…夢かと思いました。全部、ただの夢かと…。
みんなに出会えて、みんなと過ごした毎日がすべて夢だったのかと思って、すごく辛かった…」
本田さんを責めたい気持ちとか、疑問とか、そんなものどうでもよかった。ただただ、すべて夢の出来事じゃなくて、本当によかった、という安堵の涙がしばらくとまらなかった。
「今日、あなたの学校が終わったら、少し話しませんか?」
しばらく待ってくれた本田さんは私に言った。
「もちろんです」
本田さんと関係のありそうなその原稿をバックにしまい、その日は普通に学校で過ごした。