第2章 失くし物 ~蝶屋敷にて~
炭治郎と善逸のやり取りを、じっと見つめるアオイ。
「あのね炭治郎!実はさーーー2つも……」
うふふーーーー
と、不気味に笑う善逸に
「そんなに良いことが、あったのか?」
嬉しそうに答える炭治郎。
「見せてあげるよぉ!ちょっと来てよ、炭治郎~~~」
「じゃあ、ちょっと見に……」
部屋に戻ろうとした二人に
「待って!!!」
大きな声を上げて止めたのは、アオイ。
「何っ!?どうしたの?」
びっくりした炭治郎と善逸が足を止める。
「どうしたんですか?」
なほ、きよ、すみの3人も大きな声を出したアオイを見ている。
「2つ……私も2つ失くなったの……」
「うん?」「ん?」
きょとんとした顔でアオイを見つめる、炭治郎と善逸。
「盗ったでしょ……」
アオイがジロリと睨んだ先は、善逸だ。
「何を?」
話が飲み込めない善逸が聞き返すと……
「しらばっくれないで!!!返しなさいよっ!!!この変態っっっ!!!」
そう言いながら、善逸に向かって行くアオイに
「ち、ちょっと待って!!!アオイさん!善逸が何の事か、解っていないよ!」
慌てて止めに入る炭治郎。
「貴方しかいないわ!この蝶屋敷にいる、変態なんてっっっ!!!」
「ええええーーーー!!!何、それっ!?何でそんな酷い事、俺言われなきゃなんないのっ!?」
善逸に今にも噛みつきそうなアオイを、必死に止める炭治郎。
そしてそれを、オロオロして見ている、なほ、きよ、すみの3人娘。