第6章 ホグワーツへ行こう!
(私は、家族を、愛してる)
そうして、駅へと出た
「うわぁ」
隣で、ハリーが声を上げている
無理もない、映画で見たとはいえ、現実で見るとなると、さすがにヴィオラも声を漏らしてしまう
黒光りして今にも動き出しそうな立派な「ホグワーツ特急」がそこにあった
「すごい……」
「僕達はこれに乗って行くんだよ」
「そうなんだぁ……そうだ!ねえロン、一緒に乗ろ?」
「うん、いいよ!」
ロンが笑顔で答えてくれる
そうして、汽車が音を上げ、もう出発間近だということを教えてくれたので急いでカートの荷物をしまってもらい、中に乗り込んだ
「なんか……何処も空いてないね」
「うん……」
ロンの言葉に相槌を打つ
ジョージとフレッドは上級生なので、一緒に乗ることは出来ない
映画ではハリーと一緒に乗っていたはずだが、ハリーの部屋番号までは分からないので部屋探しに二人は苦労していた
そんな中、ヴィオラが「あ!」と言った
「どうしたの?」
「あそこ、空いてるんじゃない?」
ヴィオラが指差した方向にはハリーしか乗っていないすっからかんの部屋があった
(ついに来た!ここであの三人衆が揃うことになる!)
「ねえ、ロン、聞いてきてよ」
「え?僕が?」
「同じ男の子の方が親しみやすいでしょ?あの子、1人で座ってるし……」
「そうだなぁ、それじゃ聞いてくるよ」
「うん、ありがとう」
原作ではロンがハリーに話しかけていたのでそれは守らなければならないと思った
こういうことから守っていかないと、これからの予想が付きにくくなってしまう
私は誰も死なせるつもりは無い
そんな事を考えていると、ロンが戻ってきた
「いいってさ」
「おお!それじゃあ行こっか」
そうして、部屋に入ると、ハリーが笑顔で出迎えてくれる
ヴィオラはハリーの隣に、ロンは向かいの椅子に座り、ロンから自己紹介を始めた
「僕、ロンって言うんだ、ロン・ウィーズリー」
「私はヴィオラ、ヴィオラ・マリエレンダって言うの」
「僕ハリー、ハリー・ポッター」
ハリーが名乗った瞬間、ロンが声にならない声を上げた
「じゃあ、本当なんだね?君は、本当にあるの、アレ?」
「何が?」
「……傷跡」
「ああ、ほら」
「すっげぇ」
ハリーが前髪をかき分け額を見せる
すると額にはあの傷跡があり、ロンが感動していた
