第4章 受け継がれる愛の魔法
「愛しのヴィー!」
「おじいちゃーん!」
動物園から5日後
アメリカンホームドラマのセリフの様な声を上げ、二人は互いに抱きしめあった
「おじいちゃん!急にどうしたの?」
「ダニー達からこの間の話を聞いてね、急いでここに来たんだよ」
「そうだったの」
ハンネスの言ったこの言葉、「この間の話」とは、狼の際の事だ
ヴィオラが狼の怪我をどうやって治したのか聞きに来たのだろう
「あら、お父さん、早かったですね」
「おや、エルラ、あれから変わったことは無かったかね?」
「ええ、いつも通りですよ」
「ほう、そうか……」
「どうしたの父さん」
「……いや、とりあえず部屋に入ろう、そこで全員に話さなければな」
「???」
ハンネスに促され全員がダイニングへ集まる
「さて、聞いた限りでは狼をヴィオラがキスで治したということだったか」
「おじいちゃん、私本当にどうやって治したのか分からないよ?」
「ああ、だろうね、それはヴィオラは知らないからな、だがまさかヴィオラがなあ……」
「どういうことだい父さん」
「これは、マリエレンダ創設の話から始めなければならない」
「え?」
「今から言うことは決して誰にも話してはいけない、ヴィオラ、守れるかな?」
ハンネスはヴィオラに重々しく問う
ヴィオラはコクコクと頷いた
それを見て、ハンネスは話し出した
「そうだな、どこから言うか…………まず初めに、マリエレンダは大分古い家でなぁ、私も分からないが、マリエレンダはホグワーツ創設の時代に生まれたといわれている」
「え、父さん僕聞いた事ないよ?」
「だろうな、私が話していない」
「どうして……」
「おじいちゃん、それはパパ達には話す必要がない事だったってことじゃない?」
「おお、やはりヴィオラは賢いな、その通りだ」
ハンネスは微笑み優しくそう言ってくれた
そこから、ハンネスは全て話した
「マリエレンダの創始者は、不思議な力があったという、それはヴィオラのものと同じ、キスで怪我を治したり、祈りを捧げ様々なことが出来る力だ、創始者はその力を使い、様々な人を助けた、だが恐れられるようになり、力を、一族を作るという形で隠そうとした、一族にだけ伝え、周りから忘れられるように仕向けたんだ」