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花達と蕾

第3章 お仕事


昼食を終えると、4人とも夜見世の支度を始めた。
今夜は特別なお客様を迎えるらしく、花魁の4人も昼より豪華な着物に着替え、お化粧も少し濃いめでいて艶やかさが増している。

浦「見すぎな?」
蕾「え、や、だって、4人ともえらい綺麗やから…」
坂「首まで真っ赤やんw蕾可愛ええなぁw」
蕾「ほ、ほんまやめて…」

両手で顔を隠すも、耳や首までは隠せず見られてしまう。

蕾(恥ずかし…)

それにしても、超がつくほどの高額な金額が発生する花魁を4人も指名できる程の財力を持った人とは一体誰なのか。限られた人間にしか出来ないだろうから相当高位の方だという事しか分からない。

千「蕾さん?」
蕾「あ、はい!何か?」
千「今日付ける髪飾りなんやけど、どれがええと思う?」
蕾「それなら、うちやなくて渉の方が詳しいんちゃうん?」
千「蕾さんに選んでもろたやつがええんよ。お願いします」
蕾「そ、そういうことやったら…」

千良の髪飾りが入った箱を見せてもらうと、黄色をメインにした沢山の髪飾りがキラキラと輝いて宝石箱のようだった。
どれも素敵で一つ一つを千良の髪に当てて見比べるがどうもしっくり来ない。

蕾「うーん…」
千「そんな悩まんでもwどれもええやつなんで、好きなの選んでください」
蕾「選びたいんやけど…その…」
千「正直に言ってもろてええですよ」
蕾「…千良の顔が良すぎて似合うのが見つからんくて困ってます」
千「…へ?」

突如千良がフリーズした。
百合と形容される彼は梅のように赤く色づいて動かない。
なんだなんだ。何が起きた。

蕾「え、ちょ、千良?どしたん?」
志「…千良がこんなんなったん初めて見たわ」
坂「千良www真っ赤やんwww初かwww」
浦「無自覚こわ…」

無自覚とはなんの事なのか分からないが、取り敢えず千良の意識を戻そうと顔の前で手をかざしてみる。
何往復かするといきなりガシッと手首を掴まれる。

千「蕾さん…」
蕾「あ、はいなんでしょう」(生き返った)
千「今度一緒に街に行きましょう。センラに合う髪飾り見つけてください」
蕾「う、うん。わかった。予定空けときますね」
千「ありがとうございます。では取り敢えず今日はこれ付けときましょうかね」

そう言って、千良は適当に近くにあった髪飾りを付けて笑顔で支度に戻っていった。何だったのか。
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