第5章 夢見る
次の日。学園祭があったので休みだ。部活はあったけれど休んだ。
おばさんと一緒におじいちゃんとおばあちゃんが来た。住んでいた家は売り家に出す予定らしい。
写真を見たが確かにぼろかった。
「!久しぶりだなぁ!!」
「綺麗になって…こんなに大きくなって…」
こんな優しい人達からどうしたらあんな父親が育つんだろう。
私は不思議でたまらない。
「よしよし、もう心配いらないからな、おじいちゃん達と暮らそう、な。」
二人の荷物がそうこうしているうちに届き、両親の荷物は全て持ち出された。
「あの荷物どこにいくの?」
私は聞いてみた。
「……どこかなぁ」
おばあちゃんはおっとりと答えた。
部屋がえもしてくれた。1階の客間が私の部屋になった。父親に襲われた場所ともあり多分気を使ってくれたんだろう。私の部屋だった場所は物置きになった。
無駄に部屋が多いので三人暮らしには十分だ。ここに二人で暮らそうとしていたのか、この夫婦。
まぁ自営でお金持ちだからなぁ。
「ごめんね、。親と暮らすのは無理だなんて言わせてしまって。」
おばあちゃんが引っ越しの休憩中にそう言ってくれた。
「おばさんもね、独身でしょう。夜勤もある仕事だしきっと経済的にとは暮らせないの。住んでるのは独り暮らしのアパートだし、ごめんねぇ。」
「いいの。私、大丈夫。」
私はにっこり笑った。張り付けた笑顔じゃない。
その後も家の整理とか、掃除とか、二人の手伝いやらで私は学園にも部活にもなかなか復帰できず、結局あれから三日後に登校した。