第18章 年明け
朝早くにカナエと待ち合わせ、近所の神社へ。
学園の近くに住んでる人はだいたいこの神社に足を運ぶ。
「もう人が並んでるね…。」
神社には列ができていた。
私達も並んだ。
「これからもっと増えるからね~。早くに来てよかったわ。」
カナエの影響か、私も少しは服に興味を持つようになった。
……それでも、お洒落なカナエの隣に立つのは恥ずかしいけど。
「不死川くん、来てるの?」
「へ!?」
「何かキョロキョロしてるから探してるのかな~って。」
カナエがニコニコ笑っている。
「し、してない!してないよ!!」
「冗談。でも、その反応だと来てるみたいね?」
…騙された。恥ずかしい。あんなに慌てて。
「誰と来てるの?家族?」
「ううん。アマモリくん。」
「あ~、あの京都の子?……ふぅん、そうなんだ。」
カナエの顔に影が落ちた。
……何かあるのだろうか。実弥も同じような顔をしていた。
「…アマモリくんのこと嫌いなの?」
「え、あ、違うの~。うーんと…これ言っていいのかわかんないんだけど…。」
カナエは私の耳に口を近づけた。息がかかってくすぐったい。
「アマモリくん、私達と同じみたいなの。」
「え…それって…。」
「ハッキリ聞いた訳じゃないみたいなんだけど…不死川くんが、多分そうじゃないかって。」
「実弥が。」
……カナエと実弥って秘かに仲良いんだよな。
いや、別に、だからといって何がどうとかないけど。
「不死川くん、前世でアマモリくんと会ったらしいのよ。」
「……それってアマモリくんが鬼殺隊だったってこと?」
「あぁ…そこまで聞いてないわ。けど、そうなんじゃないかしら。あと、アマモリくんすごくのこと聞いてくるんですって。不死川くんが疲れるって言ってたわよ。」
「えぇ、何それ…。」
「さぁ…?」
アマモリくんの謎は広がるばかり。けれど、そうこう話しているうちに順番は来てしまって、この話はそこで終わった。