第3章 Talking Night
さきは、関西人らしい返しを咄嗟にして、(正直よく言えたと思う)、恥じらいを隠すように洗面所に逃げてきた。
顔を洗い、カカシが昨晩用意してくれた歯ブラシで歯を磨く。
もうっ…と自分の腹を見ていたカカシに腹を立てながら力強くジャコジャコと。
…最近かなりデブったんやけどな……ぷに と腹の肉を摘む。
この後はそう、本来なら窓を開け、ベランダへ出て、可愛い花たちに水をやるのだ。
コン…とうがいを済ませたコップを置く。
あの子達、枯れてなきゃいいけど…
花たちを世話できるのは私しかいないんだ。 早く帰らなきゃ…
瞳に輝きを灯し、よし!と気合を入れ、乾燥機で乾いた服を引っつかんだ。
いそいそと着替えて、再びカカシの待つ部屋へ戻る。
「あ、着替え終わった?コーヒーは好き?ご飯とパンどっちが食べたい?」
『私コーヒー大好き!カカシと同じものを食べるよっ』
あぁ、こうして誰かと朝食をとるのはいつも通りの私の朝なのに…
朝食の相手と、場所と、花たちの存在… 私のいつもと違う朝が始まった。