第8章 俺は色々と悩ましい件について。
「こんなの背負わされたんですから
それを利用でもしてやらないと気がすみません。」
膝を抱えてそう呟いた姿とその言葉に俺は
やっと1つの確信に近い可能性を見つけた。
「(そうかコイツ。…何かに巻き込まれてたのか。)」
産まれ落ちた。 と 背負わされた。
自発的では無いその物言いと
利用してやらないと気が済まないという
”恨み”にも近い意地のような覚悟。
コレが嘘で無いのだとしたら
きっとコレが完璧な理由の本当の根本だ。
少し考えれば分かった事なのに
何故か俺は気が付かなかった。
”得体の知れない”と感じたのも当たり前だ。
15歳が店舗経営何て諸々考えても
”大人の手を借りず出来るはずがない”
万が一ソレが出来たとして
コイツがソレを望んでいたのなら
そしてあの資料の通り
”暴力団と繋がり有り”が今も尚続いているのなら
そもそもこの学校になど来ないで
後ろ盾のある状態で何かしら続けているだろう。
そしてそれが本当に自発的にやっていたとしたら
自分まで”未成年売春”なんてして働く道理は
思いつく限り何処にも必要性が無い。