第2章 ローズ・マダー
「…違う…違うっ…」
「一人になっちゃったね」
可哀想に…
どんな女にも真剣になれなくて
どんな女を抱いても、快感を得られなくて
とっかえひっかえ、アクセサリーみたいに女を弄んで
僕は何も知らなかったけど…
そんな翔を見ていられなくて
救いたくて…
やっと僕が開いた翔の心…
あのときは、ただただ僕は嬉しかった
嬉しかったのに…
翔はそうじゃなかったんだ
気づいてしまったんだ
自分は、男にしか感じない
性欲の対象は、男にしか向いてないって
それは、翔自身の人生がガラガラ崩れた瞬間だったんだろうと思う。
翔の思い描いていた…いいや、翔のご両親が思い描いていた未来とは程遠い事実だった。
それが、翔には認められなかったんだ。
たぶん今も…認めることはできてないはず。
だから僕に酷いことして…
言葉で嬲って、力でねじ伏せるようなことして…
それだけだったら我慢できたのに。
僕だけを見ていてくれたら
僕だけの翔でいてくれたら
我慢したのに
「可哀想に…」
「ちがう…」
「僕にも、潤にも捨てられて…可哀想に…」
「可哀想なんかじゃ…ないっ…」
じゃあなぜ…泣いてるの…?
子供みたいに、ボロボロ涙を零して。