第4章 ブレスレット
ナオミちゃんから教えてもらった日から、太宰さんの顔をまともに見れなかった。
何日経ったのか分からないけれど、ずっと「なんで?」というその思いでいっぱいだった。
束縛したい、って太宰さんからまさかそんな事思われているなんて…
依頼先から帰って自分のデスクに戻ろうとしたら名前を呼ばれた。
「ちゃん」
ハッと太宰さんの声だと分かって、後ろを振り向いた。
太宰さんはニコニコとにこやかにしているけど何処か怖い。
『あ、えっと……』
なんて返せばいいのか分からなかった。
そのまま私の視線は下に落ちて、足元を見る。
──怖い。
太宰さんの目が見れない。
「ちゃん最近私のことを避けているよね?」
太宰さんに言われて一瞬ドキッとした。
『避けてなんか……』
避けてなんかいない。
本当はそんな事無いけど、そう言うしかなかった。
「避けているよね?」
『……っ』
太宰さんは気付いていた。
嘘なんか付けなくて、正直に話すことにした。
『ナオミちゃんから、プレゼントを贈る意味を教えて貰ったんです……』
「うん、それで?」