第498章 伝説の始まり
「これより最終試験の課題を発表する…
今まで訓練で使っていた試練の迷宮の最下層に行き、試練の証と云われる魔石を採って来る事だ
パーティーは三人まで、もちろん一人で挑戦しても構わない…
期間は明日から五日間、三回死亡したら即失格…
魔石を持ち帰った者のみ試験合格とする…
以上解散!」
王立勇者候補育成学校。
冒険者を募り、来るべき有事に備えるために勇者候補を育てる学校だ。
授業は戦闘訓練の他に、魔法や魔族、モンスターに関しての授業などの座学もある。
一年間、集中的に鍛え、勇者としての資質を持つ者を選ぶ。
厳しい試験が何度も行われ、入校時には100人以上いた生徒も最終試験には12人残すのみとなった。
「さて、今回の候補生は何人卒業出来ることやら…」
「去年は結局一人も残らなかったからね」
試練の迷宮の最下層は99階、魔族こそいないが下に行く程強暴なモンスターが住む。
授業でも使うため迷宮内で死亡しても学校にある礼拝堂で甦る事が出来る様にダンジョン全てに魔方陣が敷かれている。
「年々、冒険者の質が落ちてるからな…」
「近年は魔族も目立った動きがないし、危機感がなくなってるんだろうな」
試験開始から三日間で半数が失格となった。
残る6人の内5人は二回死亡しいて後がない。
唯一、一人で挑戦している無謀な候補生もいると言うが未だ70階までしか降りてない様だ。
「今年の候補生はそれなりに良いと思ったんだが…」
「しかし、一人で挑戦してる彼はそんなに優秀だったかな?」
試験最終日、5人は失格となったが一人で挑戦していた候補生が見事にクリアしてみせた。
彼の名前は…。
「候補生アーサー・ペンドラゴン!
全ての試験に合格した証として、この剣を贈り当校を卒業する者とする
…これからは勇者と呼ばれる様な活躍を期待している」
卒業式が終わるとアーサーは一人何処かに旅立ったと言う…。
end