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千分の一話噺

第50章 初冬の散歩道


俺達はポッキーを食べながら公園を散歩していた。
「ねぇ何でポッキーなの?」
彼女の素朴な疑問に俺はポッキーを一本取り出し、彼女の口にくわえさせた。
「今日(11/11)はポッキーの日だからな」
彼女は「ふ~ん」と返事しながら、くわえたポッキーを食べた。

初冬の公園は紅葉ももう終わり、足元には枯れ葉の絨毯が敷かれている様だ。

その枯れ葉が木枯らしに吹かれ舞った。
「きゃっ、…もう風が冷たいね」
そう言いながら彼女は首を竦める。
「もうそろそろマフラーが欲しい時期だな
早いとこ、編んでくれよ」
俺は彼女の頭をポンポンと手の平で軽く叩いた。
「それじゃあ、しばらく料理はお願いね」
「えっ?俺が飯作るのかよ?」
「私はその間に編み物するから…」
彼女は俺の手からポッキーを取ると、くるくると円を描くように回しながら魔法を掛けた。
「お・ね・が・い♪」
「しょうがねぇなぁ
そのかわり、あったかいマフラー頼むぜ」
俺は魔法を掛けたポッキーに食いついた。
「よし、今日は鍋にするぞ!」
「良いわね、何鍋にするの?」
彼女の手を取るとスーパーに向かう道を歩き出した。
「何の鍋にするかはスーパーで決めるさ」

繋いだ手を俺の上着のポケットに入れて…。



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