第481章 異世界アパート8
夏!
日本はもうすぐクリスマスだと言うのに、ここグランロールスではまだ夏真っ盛り。
ただ、グランロールスの夏は日本と違って過ごしやすい。
湿気が少なくて、暑くても30度程度までしか上がらない。
まるで避暑地にいる感じ。
「ねぇ、グランロールスにも宗教ってあるの?」
ちょっと気になってナタリーに聞いてみた。
「あるわよ…
女神エメラダを信仰している聖女教と、古から山や海とかの自然を信仰する古典的な宗教ね
…でも、何で?」
ナタリーは首を傾げた。
「私の故郷では聖誕祭ってイベントがあるのよ
宗教的と言うよりも民間的なイベントだけど、小さい子供にはサンタクロースって聖者がプレゼントを贈ってくれるの…まあ、親が代役するんだけどね
こっちでもそういうのがあるのかな?と思って…」
まさかクリスマス的なイベントはないだろう。
「へぇ~、面白そうなイベントがあるのね
…こっちでは、春の川開きと来月行われる秋の収穫祭くらいかしらね
でも、収穫祭は必ず鬼が出るからあまり楽しいイベントじゃないわね
騎士や冒険者が欠かせないし…」
凄いイベントがあることを知った。
「お、鬼って…あの、角があるモンスターの…?」
「そうよ、ゴブリンとかコボルトとかの小鬼やオーガなんて大鬼が出る事もあるのよ」
モンスターがいるって聞いたことはあるけど…。
「な、何で?そんな物騒なイベントになるの?」
「元々は、収穫する前に鬼退治する為に始まったらしいわ
鬼を退治してから安全に収穫してお祝いするイベントなのよ
だから、収穫祭は森の入り口で行われるわ」
日本でも収穫祭的なイベントはあるけど、さすが異世界…やる事が違い過ぎる。
「き、危険なイベント…ね
…大丈夫なの?」
「鬼やモンスター退治なんて日常茶飯事よ
まあ、街中は結界があるから安全だから安心して!」
グランロールスで半年くらい過ごしたけど、街から出たのは川開きの時だけ…、そんな危険な世界だとは思わなかった。
でも、街には普通に騎士や冒険者がいるからゲームみたいにダンジョンとかもあるのかな?
…でも、私には関係ないか。
end