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千分の一話噺

第477章 委託サンタ


12月24日深夜。

日本各地に赤い大男がたくさん出回っていた。
「サンタクロース?」
季節柄、サンタの衣装で配達する企業も少なくない。

しかし…。

「ん?サンタにしては変な衣装だな」
よく見ると全体的に赤いのだが、金棒を持って虎柄のパンツを履いていた。
「虎柄って…」
そう、彼らは赤鬼だった。

たまたま信号待ちしていた赤鬼に聞いてみた。
「いや~、ほら今コロナ禍だろ?
サンタクロースも日本に来れないんだってよ
だから俺達に代わりにプレゼントを配ってくれって頼まれたんだよ」
帽子で角を隠し、付け髭を付けて厳つい顔も隠していた。
「俺達も最近出番がないから、これを機会にイメチェンしようかと思ってな
まあ、青鬼の連中にはサンタは無理だけどな…
ガハハハッ!」
赤鬼は豪快に笑って玩具が詰まった袋を軽々と肩に背負った。

赤鬼サンタは金棒型スマホで連絡を取り合い、次々とプレゼントを配って行るそうだ。
「このご時世、スマホがねぇと仕事になんねぇんだよな…

プルルルッ…

…おっ、次の依頼か?」
ちょうどスマホが鳴った。
「はい、赤鬼サンタです
はい…はい…、ありがとうございます
すぐにお伺い致します…失礼します」
それまでの口調とはうって変わった丁寧な言葉遣いで対応していた。
「んじゃあ、俺は急ぐからよ!」
信号が変わると赤鬼サンタは軽快に街の中へ消えていった。

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