第468章 コーヒータイム
オフィスビルが建ち並ぶ一角、昼休みのとあるファストフード店では…。
「ちょっとぉ~、ここちゃんと換気してないでしょ」
(この店の嫌なところよね)
「いえ、換気扇はちゃんと回してますが…」
(…もしかして、噂のクレーマー?)
「じゃあ、何でこんなに匂うの?」
(嫌な匂いだわ…)
「匂い?…ですか?」
(え?何の匂い?)
「そうよ、このフライドチキンの匂いよ!」
(あんたの鼻おかしいんじゃない?)
「そ、それは…、うちの看板商品ですから…」
(やっぱり噂のクレーマーだ…勘弁してよ)
「私、フライドチキン嫌いなのよね
この匂い、何とかならないの?」
(みんながみんな、好きとは限らないのよ!)
「え?いや、それはちょっと…」
(だったら来なきゃいいじゃない!)
「しょうがないわね…」
(さっさと注文して帰ろう)
「あの~、…ご注文は?」
(…納得したの?かな?)
「コーヒー…ホットでね
ここのコーヒーは好きなのよ」
(コーヒーが美味しくなければ来ないのに…)
「…コーヒー、一つですね」
(まさかのコーヒー目当て?コーヒーなら他の店でもよくない?)
あなたの知らないどこかで、毎日の様にOLと店員の小さな小さなバトルが繰り広げられている。
end