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千分の一話噺

第466章 続 世界の終焉


ポッキーに埋め尽くされた地球は、動植物が全滅し僅かに残った人間も風前の灯火だった。

非常食などを食べ尽くした人間は、そこから毎日毎日、ポッキーしか食べる物がない。
ポッキーの大地は掘っても掘ってもポッキーしか出てこない。

あの厄災『ポッキーの日』から20年…。
ポッキーは10年間降り続き、地球上に逃げ場はなくなった。
海も山も文明さえも全てポッキーの下に埋もれた。
今も時折ポッキーが降る。
当たり前の日常はもう遥か昔の様に思えた。


ここに生き残った二人の男女…。
恋人でも知り合いでもない。
さ迷い歩いているうちに奇跡的に出会った。


「…何で、こんな事…」
目の前にはポッキーを口いっぱいに詰め込んだ遺体が…。
骨と皮だけの様に痩せ細っていた。
最後の力を振り絞ってポッキーを詰め込んだのだろう。
「もう、俺達しか残ってないのかもな」
男は落胆する。
「ポッキーゲームしてた頃が懐かしいわね…」
女は笑えない冗談を言った。

行く宛てはなく、ただ食糧や他の生存者を探しさ迷う日々…。
「…何か光った!」
「えっ?どこ?」
二人は力を振り絞って走った。

「…オアシスか」
ポッキーの大地には所々、水が涌き出ている。
チョコが混ざっているが、水がなければもっと早く絶滅していただろう。
「ねぇ、ここで別れない?」
「…何で?」
「もし何か食べ物が見つかった時、殺し合う事になるでしょ?
私はそんなの嫌!」
「…そうだな
じゃあ、最後にこれやるか?」
二人は人類最後であろうポッキーゲームで別れを決めた。

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