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千分の一話噺

第462章 伝説の…


ドアを開けると…。

うおりゃぁぁぁぁぁぁっ!!!!!

私は訳が分からないうちに天井を見ていた。
「えっ?何?」
あまりの驚きに何があったのか?思い出そうとしたが…。
「いらっしゃいませ~!
お席にご案内しま~す!」
やたらと威勢の良い男性に引き摺られる様に席に連れていかれた。


私が入ったのは確か『図書室』だったはず…。
「一本カフェへようこそ!
ご注文をどうぞ!」
渡されたメニューに目を通すと…。

『一本ナポリタン』
『一本カレーライス』
『一本アイスコーヒー』
『一本ホットコーヒー』

何よ、このメニューは…。
「あのぅ…ここってもしかして柔道部の?」
「オッス!柔道部伝統の一本カフェっす!」
噂では聞いた事あるけど、本当にあったんだ。


うちの学祭に伝わる伝説のカフェ。
柔道部が主催するのだが、看板もなく呼び込みもしない。
どこでやっているのかは一部の柔道部員しか知らず、毎回場所が変わるとか…。
しかし、このカフェに入ると幸福が訪れるとまで云われている。


うおりゃぁぁぁぁぁぁっ!!!!!

入り口のドアが開くと、そこにいる部員が入って来たお客さんを一本背負いでマットの上に投げ飛ばした。
呆けてるお客さんは、別の部員が引き摺って席に運んでいる。

私もあれをやられたのか…。
「あれが名物厄落とし一本っす!
あれを受けた人は厄が落ちるって云われてるっす!」

一本背負いだから一本カフェなんだ。
妙に納得出来た。


end
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