第457章 勝者は…
「第495489641367回、出雲大運動会の開催です!」
アナウンサーが高らかに宣言する。
「地球十周マラソンに参加する選手は3番ゲートにお集まり下さい…」
進行のアナウンスの中、天界一のスピードを決める日本縦断走がスタートした。
「おおっ!スタートダッシュを決めたのは海外招待選手のイカロス選手とアキレス選手だ!
両者とも、あっという間に北海道を通過して本州を爆走!これは速いぞ!」
快調に見えた二人だが、関東を越えた辺りでアクシデントが…。
「あ~っと、トップのアキレス選手、急にスピードが落ちたぁっ!
…どうやら足を痛めた様です!」
ここを勝機と見た選手が後方から追い上げてきた。
「イカロス選手の独走かと思いきや、韋駄天選手が物凄いスピードで追い上げてきたぁ!」
こうなるとアナウンサーは完全に日本贔屓になる。
「韋駄天速い!これぞ大和魂!
頑張れ韋駄天!」
九州に入ると二人はほぼ並んでいた。
「凄いぞ韋駄天!頑張れ韋駄天!」
実況そっちのけで絶叫するアナウンサー。
「やったぁ!勝った!韋駄天勝った!勝ちましたぁ!」
今回の天界一スピードスターは韋駄天に決まった。
「これより狩り物競争がスタートします
ジャックオーランタンの皆さんは速やかにお逃げ下さい」
参加選手には毘沙門天や帝釈天、阿修羅や不動明王など腕自慢ばかりだ。
逃げるジャックオーランタンをたくさん狩った選手が優勝となる。
「さぁ、大会名物かぼちゃ狩り競争が始まりました!
早速、阿修羅選手が6本の腕を器用に使ってガンガン狩ってます
毘沙門天選手も負けてません
さすが優勝候補同士、熾烈な争いです!」
この運動会の名物競技なだけに観客も大興奮だ。
「おっと、ここで地球十周マラソンもスタートした模様です
スピードも然ることながら、最後はスタミナ勝負になる過酷なレースです」
運動会のフィナーレはやっぱりマラソンとなる。
次々にリタイヤする選手…。
独走していた白兎神も最後は力尽きて寝てしまった。
「優勝は亀です!」
end