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千分の一話噺

第446章  イベント


9月14日、一般的には全く知られていない記念日がある。

「ねぇ、メンズバレンタインデーって知ってる?」
「何だそれ?どうせバレンタインに掛けて便乗商売する気だろ?」

全く持ってその通りである。
日本ボディファッション協会と言う下着メーカーの集まりが、「下着をプレゼントして愛の告白をしよう」と言う至って分かり易い商業的な記念日として決められた日だ。

「下着をプレゼントって、良くて変態、一歩間違えば変質者じゃん」
「でしょ、考えた人のセンス疑っちゃうわよね」
「けど、その日って別の何とかバレンタインじゃなかったか?」

そう、面白い事に9月14日は、女性から別れを切りだしても良いと言う「セプテンバーバレンタイン」と被っている。

「どっちが先かは知らないけど、ちゃんと調べてから決めれば良いのにね」
「って言うか、はっきり言って要らねぇし、下らなすぎる
2月のバレンタインだって日本のは商売イベントなんだから…」
しかし、バレンタインデーはれっきとしたキリスト教のイベントだ。
「でも、本家バレンタインはしっかり定着してるじゃない?」
「始まったのが今とは時代が違うからな
戦後のいわゆる高度成長期で外人に憧れてたってのもあるし、チョコレートも普通に食べられる様になったからだろ
今だったら、誰も見向きもしないんじゃないか?」
現にバブル崩壊後は、徐々にだが規模は縮小している。
お菓子メーカーの便乗商売に乗っかる程の余裕が国民になくなりつつあるの現実だ。

「いずれ本家バレンタインもなくなるんじゃないのか?」

end
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