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千分の一話噺

第439章 トップギア


「くそっ!何でこんなに人がいるだよっ!」
「そりゃあ世間は夏休みだからなっ!
見失うんじゃねぇぞっ!」
俺達は人混みを逃げる犯人を追った。


この事件は二日前、一本の電話から始まった。
『子供は預かった
二千万円用意しろ』
身代金目当ての営利誘拐だ。

そして今日、身代金を母親に持たせ、渋谷ハチ公前に来いと指示された。
前もって捜査員をハチ公前周辺に配置して、犯人の接触を待った。
自転車が一台近付いた。
「まだ、動くな!」
捜査本部から指示が飛ぶ。
自転車の人物は母親に何かを渡して走り去った。
「C班、自転車を確保しろ」
ハチ公前から見えない場所で自転車を確保、事情を聞くとただのメッセンジャーだった。

母親は渡されたメッセージを見ると、すぐにタクシー乗り場に走り出した。
「おいおい、何かヤバくないか?」
「車回せ!追うぞ!」
俺達はタクシーの後を着けた。
「ここって…」
着いた場所は、浦安デズニーランド。
「まずいぞ!この中に入られたら…」
母親は園内に入っていった。
「他の捜査員が来るまで待てねぇぞ」
俺達も中に入った。

母親を見付けた時には金を入れたバックを渡しているところだった。
「奴だっ!追うぞ!」
「くそっ!何でこんなに人がいるだよっ!」
「そりゃあ世間は夏休みだからなっ!
見失うんじゃねぇぞっ!」
俺達は人混みを逃げる犯人を追った。

こいつを見失えばどうなるかくらい分かっている。
捜査本部と連絡を取りつつ後を追う。
「ちっ、まだ他の捜査員は来ていない」
「俺達だけでやるしかないって事だな」
俺達はギアを上げた。



「ママ~!」
無事救出して、やっと事件解決だ。

end
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