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千分の一話噺

第435章 二時間スペシャル


『南国の…香り華やか…氷菓子』

パイナップルが飾られたかき氷の画像に添えられた一句…。
これが彼女の最後の一句となった。
SNSにこれがアップされた後に彼女は亡くなった。
ニュースでは自殺と報じられている。

しかし、彼女の遺族は納得していなかった。
私はそんな彼女の遺族に依頼され、死の真相を探っていたが…。



新作二時間スペシャル!
『女子大生探偵にお任せよ♪』
撮影快調!こうご期待!



「プロデューサー、新作のPV(プロモーションビデオ)出来ました」
プロデューサーの小澤はPVを見て満足そうに笑った。
「これならイケるぞ!」
そこに主役の女優、片桐藍華が顔を見せた。
片桐は二十歳ながらその演技力で新人賞を総なめにした実力と、現役の東大生でモデルもこなす知性と美貌も兼ね備えた人気女優だ。
「おう、藍華ちゃん!
この役は君にしか出来ないと思ってたよ!」
片桐の登場に小澤は更に上機嫌になった。
撮影の方は、今日残りの数カットを撮れば終了となる。
「片桐さん、お願いします!」
AD(アシスタントディレクター)が呼びに来た。
「では、最後の撮影してきますね」
片桐は小澤に挨拶してから撮影に向かった。


撮影は全て無事に終了し…。
「お疲れ様でした!
小澤プロデューサーから挨拶があります」
監督が小澤を呼んだ。
しかし、小澤は椅子から立ち上がらない。
「…あれ?プロデューサー寝ちゃったの?」
ADが近づくと小澤は椅子から崩れる様に倒れた。
「えっ!?小澤さん!?…おい!救急車呼べっ!」
スタジオ内は騒然となった。


救急車と警察も来て、小澤の死亡が確認された。
小澤が飲んだコップから毒物が検出され、毒殺と判断された。
「…これは女子大生探偵の出番かしら?」
片桐の目が光った。

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