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千分の一話噺

第432章 二人の流星群


「バッカじゃないの!?」
「何をっ!バカって言う方がバカなんだよ!」

この二人、お互い意識してはいるが些細な事ですぐに言い合いになる。
周りで見てるクラスメートは、いつもの事と分かっているので放って置く。

(あいつら、またやってるのか?)
(毎日毎日よくやるよな)
(お互い好きなのにねぇ)
(知らぬは本人ばかりなり…)
(って言うか、普通気付くだろ)
(だよねぇ、周りがみんな分かっているのに…)
(誰か言ってやれよ)
(あれで二人とも楽しそうだから良いんじゃない?)(まあ、こっちも見てて飽きないからな)

キーンコーン♪カーンコーン♪

授業の鐘が鳴っても二人は言い合っている。
「何なのよ!それっ!」
「そっちこそ何だよっ!」
教師が教室に入って来ると…。
「コラッ!またお前らか!
いい加減にしろ!」
怒られる事もしょっちゅうだ。
「あんたのせいで怒られたじゃない!」
「それはこっちの台詞だ!」
怒られた後もこの調子でみんなが苦笑する。

そもそも何で揉めていたかと言うと…。
「だいたい東京は星空もまともに見えないのに、流星群なんて見れる訳ないじゃない」
「じゃあ賭けるか!?」
「…良いわよ、見えなかったら私の言う事聞いてもらうからね!」


流星群当日。


「晴れたからにはこっちのもんだ」
「どうかしらね?
東京は夜でも明るいから、ちょっと光ったくらいじゃ見えないわよ」
しばらくは何にもなく、二人は諦めかけていた。
「そろそろ、私の勝ちを認めなさい」
「まだ本番はこれからだ」
流星群のピークは真夜中。
「あっ!光った!」
「えっ?どこ?」


見上げるとそこに流星群。


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