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千分の一話噺

第418章 ポテト付き


今日、お中元が届いた。
「…誰から?」
送り主の名前に記憶がない。
親戚でも仕事関係でもこんな名前に覚えがない。
「…でも私宛てよね」
宛先はうちの住所、宛名は私に間違いなかった。
「…まさか爆弾とかじゃないわよね」
私は恐る恐る箱を開けた。
「…?…えっ?
…水着!?」
中には真っ赤なビキニの水着が…。
「…何で?…まさかストーカー?」

いやいや、良く考えろ私!
自分で言うのは悲しいけど、ストーカーされる程、良い女でもないし可愛い訳でもない。
それにこんな事をする奴は一人しかいないだろ。
私が困ってあたふたしてる様子を楽しむゲス野郎…。

「和樹!!
あんたでしょこんな悪戯するのはっ!?」
すぐに電話した。
「はぁ?何の事だよ?」
とぼける和樹。
「水着よ、水着!
お中元で送り着けたでしょ!」
「…ちぇっ、もうバレちまったか…
でも、なかなか良いビキニだろ?
今度、海へ行こうぜ」
開き直るか、こいつは!?
「…バッカじゃない!?
何で私があんたなんかと海行かなきゃいけないのよ!」
「良いだろ?どうせ他に行く相手もいないんだし…
お前の好きなハンバーガー奢ってやるぜ」
このゲス野郎が…。
「私はハンバーガーで釣られる程、安くないわよ!」
「ポテトも付けるぜ」
完全にバカにしてるな。

「…良いわよ、これから一生奢ってくれるなら一緒に行ってあげるわ」
どうよ、こんな条件でも誘えるかしら?
「面白いじゃないか
その条件で良いぜ」
えっ?マジで!?
「ちょ、ちょっと…一生よ、一生!
分かってるの?」
「あぁ、一生一緒って事だろ
それも良いんじゃない?」

私はハンバーガーで釣られてしまった。

end
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