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千分の一話噺

第411章 きっかけ…


「アペリティフは何に致しましょう?」
ソムリエが俺に聞いてきた。
「…あぁ、ワイン以外で軽い感じのお薦めはある?」
「カンパリソーダなど如何ですか?」
「…それをお願いします」
こういったレストランは慣れていない。

特別な事でもない限り、お巡りの安月給で来れるような店じゃない。
今日はそんな特別な日である。

透き通る赤いカンパリソーダがテーブルに花を添える。
軽くグラスを合わせ一口…。
「もう五年経つんだな…」
「…そうね」
「あっ、ゴメン
思い出させちゃったか?」
「…大丈夫よ
あなたと一緒なら…」
「…今日は美味しいものをいっぱい食べよう」
俺達は、豪華なディナーを満喫した。



五年前…。



「待て!早まるな!」
「離してっ!死なせてっ!」
「離す訳ないだろっ!」
深夜パトロールしている最中に、踏み切りで自殺しようとしていた女性を助けた。
「はぁ…はぁ…
何でこんなことをっ!」
「私…私…」
女性は取り乱し、何も答えなかった。
とりあえず、知り合いの病院に連れていき事情を説明して保護した。

この事をきっかけに彼女を気に掛け、彼女からの相談を受けたりしていくうちにお互いが引かれ合っていった。


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