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千分の一話噺

第408章 訳


「店長、どうします?」
「これじゃあ、開店出来ない…」
店長は頭を抱えた。
「臨時休業ですかね?」
「商品が無いんじゃ仕方ないだろ…」
僕は店長に言われて臨時休業の張り紙を店のドアに張った。

商品が無い……店としては前代未聞で、あってはならない事態だ。
しかし、商品が入って来なければ売るに売れない。

店長はすぐに卸業者に連絡を入れた。
「どうなってだよっ!」
店長の怒声が店内に響く。
しばらくは店長がまくし立てていたが、少し落ち着いてくると…。
「うん…うん…、それで頼むよ
今日は臨時休業にするけど、明日は開けられる様に入れてよ」
最後にはいつもの店長に戻っていた。

普段だったら、この時期でも店内に置いてある分と在庫として裏に置いてある分で一週間はもつはずだった。
ところが、裏の在庫も含め昨日全部売り切れてしまった。

何でこうなったのか?それは異常気象のせいだ。

昨日の豪雨…、朝の天気予報は一日晴れると言っていた。
それが10時くらいから雨が降りだし、昼には滝の様な豪雨となり、一日中降っていた。

朝の晴れ間に一日晴れる予報、誰も傘など持ち歩いていない。
昼休みには、店内は客で一杯となった。
あっという間に店内の商品は売り切れ、すぐに裏の在庫を出すが、夕方に仕事帰りの客で一杯になり完全に売り切れてしまった。
店長は昼過ぎに卸業者に連絡を入れたが、この天気は日本全国一斉だったのでどこも品薄となった様だ。

傘がない!

これが今日の臨時休業する理由だった。


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